NY白金(日足)
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NY白金(中心限月)は、前週比8.7ドル高の1075.7ドルで終了。4週ぶりに反発に転じております。相関性の高い金相場の上値が重い中、白金相場も上値の重い展開が継続。また、米中の景気減速懸念が強まっていることに加えて、FRB高官から利上げ継続を示唆する発言が相次ぐ中、ドル指数が3月17日以来約2ヶ月ぶり高値まで上昇。相対的にドル建て商品に割高感が生じていることも嫌気された様です。5月18日に一時1055.0ドルまで下げる場面も見られております。ただ、翌19日は金が4営業日ぶりに反発したことを受けて、白金も買い拾われております。
今週も引き続き、米連邦政府の債務上限問題を巡る与野党協議の進展を見ながらの動きとなりそうです。現状、金との相関性が強い様ですが、上限引き上げの期限とされる6月1日が近づく中、協議に進展が見られずに米国債のデフォルト(債務不履行)懸念が強まる様ですと、投資家のリスクオフの動きが強まり、白金も売られる展開が想定されます。
目先は2月27日を起点としたアップ・トレンドをサポートに節目の1050ドルを維持出来るか注目されます。割り込む様ですと、50日平均線や5月4日の安値1042.7ドル、次いで100日平均線辺りまで下げる可能性がありそうです。
ただ、これから南半球の南アフリカは冬に向かうため、より一層電力不足が意識され易くなります。また、先週各調査機関から今週需給レポートが公表され、改めて需給のひっ迫感が意識され始めており、安値は買い拾われそうです。
なお、毎年恒例の「プラチナ・ウィーク」で、白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」は、2023年世界白金需給を30.6トンの供給不足になると予測。3月時点の見通し(17.3トンの供給不足)から大幅に供給不足幅を引き上げました。
英調査会社「メタルズ・フォーカス」も29.6トンの供給不足になると予測。白金製錬業の英ジョンソン・マッセイ(JM)社も4.0トンの供給不足になると予測しております。供給が減少する一方で、自動車触媒などの需要が増加することから、それぞれ2023年は2020年以来3年ぶりに供給不足となるとの見方を示しております。
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