OECD世界経済見通し
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経済協力開発機構(OECD)は9月19日に、最新の世界経済見通しを公表。2023年の世界成長率を3.0%と、6月時点の見通しから0.3ポイント上方修正しました。エネルギー価格の落ち着きや、中国の新型コロナウイルスの規制解除後の経済活動の再開を受けて、OECDは直近の世界経済について、「予想を上回る力強さ」と評価したものの、2023年前半の成長率は3.2%で、年後半から減速が始まるとしております。
一方、各国の金融引き締めに加え、中国の不動産市場の構造問題が続くとの見方から、2024年は2.7%とし、6月時点の見通しから0.2ポイント下方修正。OECDは、景気の先行きについては「依然下振れリスクのほうが大きい」との見解を示しております。
なお、OECDは中国経済が急減速するケースも分析。同国の国内需要が想定シナリオに比べ3%減少し、消費が1%、企業投資が5%、住宅投資が8%ほど落ち込んだ場合、世界の成長率が0.6ポイント下押しされるとしております。また、株価が10%下落するなど世界的な金融市場の調整を伴う「複合ショック」の場合は、世界の成長率は1.1ポイント下がると試算しました。
OECD 国別・地域別経済見通し
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2023年の国・地域別の成長率は、消費が堅調な米国は2.2%、賃金上昇とサービス輸出の拡大が続く日本は1.8%に、それぞれ上方修正。一方で、コロナ禍からの経済再開、いわゆる「リオープン」の効果が、早くも薄れている中国は5.1%に下方修正しております。また、エネルギー価格高騰の影響が続くユーロ圏も0.6%に引き下げられております。
OECD経済見通し
2022年 | 2023年 | 2024年 | |
世界全体 | 3.3% | 3.0%(0.3) | 2.7%(-0.2) |
米国 | 2.1% | 2.2%(0.6) | 1.3%(0.3) |
ユーロ圏 | 3.4% | 0.6%(-0.3) | 1.1%(-0.4) |
英国 | 4.1% | 0.3%(0.0) | 0.8%(-0.2) |
中国 | 3.0% | 5.1%(-0.3) | 4.6%(-0.5) |
インド | 7.2% | 6.3%(0.3) | 6.0%(-1.0) |
ブラジル | 3.0% | 3.2%(1.5) | 1.7%(0.5) |
日本 | 1.0% | 1.8%(0.5) | 1.0%(-0.1) |
※豊トラスティ証券作成、カッコ内は6月時点からの修正幅
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