OECDの経済見通し

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経済協力開発機構(OECD)は3月17日に最新の世界経済見通しを公表。中国の「ゼロコロナ」政策終了によるプラス効果を見込み、2023年の世界成長率を2.6%と、昨年11月時点の見通しから0.4ポイント上方修正しております。一方、ウクライナ危機の長期化や米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻など、長引く金融引き締めの余波は「経済の下押しリスクだ」と警鐘を鳴らしております。

OECDは、欧米では物価圧力が持続的に低下するまで、追加利上げが必要だと指摘した上で、金利上昇に伴って銀行の保有債券の価格が下落するため、含み損を抱え込んだ銀行の財務上の弱さが「一段と顕在化する可能性がある」と強調。米国が示した様に政府・当局が速やかに預金保護策を講じれば、金融機関の連鎖破綻リスクは軽減できると訴えております。

 

OECDの経済見通し(国・地域別)

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国・地域別の2023年の成長見通しは、中国を5.3%、米国を1.5%、ユーロ圏を0.8%にそれぞれ上方修正。一方で、日本は低調な民間投資などを踏まえて1.4%に下方修正しております。

2024年世界全体が2.9%と予測。ユーロ圏は1.5%に上向くものの、日本は1.1%、米国は0.9%、中国は4.9%に減速すると予測。

今年のインフレ率は、高騰していたエネルギー・食料価格の下落を受けて、20ヶ国・地域(G20)が5.9%と、昨年の8%台から落ち込む見込み。ユーロ圏は8%台から6%台、米国は6%台から3%台へ低下すると予測。日本は2.5%で横ばいの見通し。

 

OECDの経済見通し

2022年 2023年 2024年
世界全体 3.2% 2.6%(0.4) 2.9%(0.2)
米国 2.1% 1.5%(1.0) 0.9%(-0.1)
ユーロ圏 3.5% 0.8%(0.3) 1.5%(0.1)
英国 4.0% -0.2%(0.2) 0.9%(0.7)
中国 3.0% 5.3%(0.7) 4.9%(0.8)
インド 6.9% 5.9%(0.2) 7.1%(0.2)
日本 1.0% 1.4%(-0.4) 1.1%(0.2)

※豊トラスティ証券作成、カッコ内は昨年11月時点からの修正幅

 

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