OPEC加盟国の原油生産量

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アラブ首長国連邦(UAE)は4月28日に、同国が5月1日に石油輸出国機構(OPEC)を脱退することを発表しました。中長期に供給責任を果たすためとしております。UAEの国営通信(WAM)が報じました。OPECの湾岸産油国は原油輸送の要衝ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けて輸出に苦慮。米国軍が駐留する湾岸諸国へイランが報復攻撃に踏み切る中、UAEは集中的な攻撃を受けていました。

また、UAEは増産を望んでおり、OPECの盟主であるサウジアラビアとは原油生産枠を巡り、度々対立していました。UAEは、OPECとロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」も離脱する模様。

米メディアが、UAEの脱退は「1960年の結成以来、最大の打撃」と報じるなど、米国とイランの軍事衝突に伴うエネルギー危機が世界経済を揺さぶる中、主要産油国であるUAEの脱退により、サウジアラビアなど中東湾岸諸国が主導してきたOPECの結束に打撃となるのは必至。OPECの価格支配力が弱まるとの見方が出ております。

なお、WAMは「アラビア湾とホルムズ海峡の混乱による短期的な地政学的変動が供給に影響を与えている」と強調。OPEC脱退に関して「UAEの長期的戦略と経済ビジョン、国内でのエネルギー生産への投資加速を含むエネルギー部門の発展」を受けた決定だとしております。

UAEの生産量は、OPEC加盟国でサウジアラビア、イランに次ぐ規模。2019年にカタール、2020年にエクアドル、2024年にアンゴラが脱退したが、UAEのような生産大国の離脱は初めて。

近年、原油価格維持を重視する盟主サウジアラビアと、増産を目指すUAEとの対立が表面化していました。UAEは2027年までに生産能力を日量500万バレルまで引き上げる目標を掲げており、OPECからの脱退によって、生産枠にとらわれずに増産することが可能となります。

◆バークレイズ、UAEはOPEC脱退で原油供給の伸び加速へ

英金融大手バークレイズは4月28日に、アラブ首長国連邦(UAE)が石油輸出国機構(OEPC)からの脱退を決めたことについて、現在の中東紛争が落ち着けば、同国の原油供給の伸びが加速するとの見方を示しました。

また、ANZは4月29日付レポートで、UAEのOPEC脱退が原油価格に与える短期的な影響は限定的との見方を示しております。価格は依然として、組織面の変更よりも地政学リスク、在庫、物流に左右されるとの見方が理由。また、UAEが正式な生産目標に縛られなくなったとしても、生産能力を輸出可能な供給に転換できるかどうかは、依然としてホルムズ海峡を巡る情勢次第だと指摘しております。

◆ロシア、「OPECプラス」残留を表明

ロシア大統領府のペスコフ報道官は4月29日の定時記者会見で、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」にとどまる方針だと述べました。ペスコフ氏は、世界市場が混乱する現在において、「OPECプラス」は特に重要な組織だと指摘。「この枠組みはエネルギー市場の変動を大幅に抑えるのに役立ち、安定させられる」と述べ、枠組みの継続に期待感を示しております。ただ、UAEの決定は尊重するとし、同国とロシアのエネルギー分野での対話継続を望むと強調しました。

 

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