世界の金需要(年別)
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産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が1月31日に公表した「Gold Demand Trends」によると、2023年世界金需要は前年比5.3%減少の4448.4トンで、3年ぶりに減少に転じております。金価格が高止まりする中、用途別でみると軒並み前年比でマイナスとなったものの、宝飾品需要は同0.2%増の2092.6トンと、前年とほぼ変わらずでした。アジアを中心に旺盛な需要が見られた様です。中国は同10.4%増の630.2トン、インドは同6.4%減の562.3トンと、高水準を維持。宝飾在庫は同29.2%減の75.4トン。
一方、バー・コインなど投資用需要は同2.7%減の1189.5トンでした。ドイツが同74.7%減の46.9トンに急減するなど、欧州の需要が急減したことが主因。金ETF(上場投資信託)関連の金需要もマイナス244.4トンと、3年連続でマイナスとなり、マイナス幅は2013年(マイナス929.2トン)以来の大きさとなっております。また、テクノロジー需要は同3.5%減の297.8トンと、2年連続でマイナス。少なくとも2010年以降で最低となりました。
一方、公的機関の金購入は1037.4トンと、データが遡れる1950年以降で最高となった前年(1081.9トン)を下回ったものの、2年続けて1000トンを上回りました。
なお、OTCやその他需要を含めると2023年世界金需要は前年比3.1%増加の4898.8トンで、少なくとも2010年以降で最高となっております。
需要を国別で見てみると、世界最大の金需要国である中国は同15.3%増加の909.7トン、インドは同3.4%減少の747.5トンでした。
世界の金供給(年別)
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2023年世界金供給量は前年比3.1%増加の4898.8トンで、2年連続でプラス。2019年(4878.2トン)を上回り、少なくとも2010年以降で最高となっております。
内訳を見ると、鉱山生産量は同0.5%増の3644.4トンと、3年連続でプラス。2018年(3655.9トン)以来、5年ぶり高水準でした。また、金価格が高止まりする中、リサイクル量は同8.5%増の1237.3トンと、2年連続でプラス。2020年(1293.1トン)以来、3年ぶり高水準となっております。ヘッジは17.0トンでした。
世界の金需給(年別)
2022年 |
2023年 |
前年比 |
|
鉱山生産 |
3624.8トン | 3644.4トン |
0.5% |
リサイクル |
1140.1トン | 1237.3トン |
8.5% |
ヘッジ(ネット・ベース) |
-13.1トン | 17.0トン |
– |
総供給 |
4751.9トン | 4898.8トン |
3.1% |
宝飾品 |
2088.9トン | 2092.6トン |
0.2% |
宝飾品在庫 |
106.5トン | 75.4トン |
-29.2% |
テクノロジー |
308.7トン | 297.8トン |
-3.5% |
公的金購入 |
1081.9トン | 1037.4トン |
-4.1% |
投資(バー・コイン) |
1222.6トン | 1189.5トン |
-2.7% |
金ETF |
-109.5トン | -244.4トン |
– |
総需要 |
4699.0トン | 4448.4トン |
-5.3% |
在庫間移動 |
52.8トン | 450.4トン |
752.7% |
総需要合計 |
4751.9トン | 4898.8トン |
3.1% |
※WGCの資料を基に豊トラスティ証券作成
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。