世界の金需要(四半期別)
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産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が10月30日に公表した「Gold Demand Trends」によると、2025年7-9月期の世界金需要は前年同期比5.4%増加の1257.9トンと、5四半期連続でプラスとなりました。
OTC(店頭取引)やその他需要を含めた世界金需要は同2.9%増加の1313.1トンと、2四半期連続でプラス。2023年10-12月期(1287.5トン)を上回り、少なくとも統計が遡れる2010年以降で最高となっております。
用途別に見てみると、公的機関の金購入は219.9トンと、同10.2%増加。3四半期ぶりにプラスに転じました。買い越しは20四半期連続。
金価格が歴史的高値圏で推移する中、宝飾品需要は同19.3%減の371.3トンと、9四半期連続でマイナスとなりました。ただ、コロナ禍で需要が鈍った2020年7-9月期(331.3トン)以来の低水準に留まった前期(341.2トン)は上回っております。
一方で、バー・コインなど投資用需要は同16.8%増の315.5トンと、4四半期連続でプラスとなっております。バーは同19.3%増の237.1トンと、4四半期連続でプラス。コインは同9.9%増の78.4トンと、9四半期ぶりにプラスに転じました。
また、金ETF(上場投資信託)関連の金需要は221.7トンと、5四半期連続でプラス(資金流入)となっております。FRBの早期利下げ観測や中東やウクライナを巡る「地政学リスク」の高まりを受けて、投資マネーの流入が加速した模様。
テクノロジー需要は同1.5%減の81.7トンと、2四半期連続でマイナスとなったものの、昨年10-12月期(82.8トン)以来の高水準となっております。
なお、WGCのシニア市場アナリストは、「金の見通しは相変わらず楽観的だ。ドル安の継続、利下げ期待、スタグフレーションの恐れが投資需要をさらに押し上げる可能性がある」と予想し、「我々の調査では、市場はまだ飽和状態ではない」と述べております。
世界の金供給(四半期別)
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2025年7-9月期の世界金供給量は前年同期比2.9%増加の1313.1トンと、2四半期連続でプラス。2023年10-12月期(1287.5トン)を上回り、少なくとも統計が遡れる2010年以降で最高となっております。
内訳は、鉱山生産量は同2.0%増の976.6トンと、2四半期連続でプラス。2024年7-9月期(957.6トン)を上回り、少なくとも統計が遡れる2010年以降で最高となりました。ヘッジはマイナス8.0トン。リサイクル量は同6.0%増の344.4トンと、2四半期連続でプラスとなっております。
中国とインドの金需要(四半期別)
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なお、2025年4-6月期の金需要を国別で見てみると、中国は同4.3%減少の157.6トンと、2022年4-6月期(140.6トン)以来の低水準。インドは同15.7%減少の209.4トンと、4四半期連続でマイナス。また、米国は同33.4%減少の31.8トンと、2019年1-3月期(31.3トン)以来の低水準となっております。詳細はこちらを参照ください。
世界の金需給(四半期別)
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2024年Q3 |
2025年Q3 |
前年同期比 |
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鉱山生産 |
957.6㌧ | 976.6㌧ |
+2.0% |
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リサイクル |
324.8㌧ | 344.4㌧ |
+6.0% |
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ヘッジ(ネット・ベース) |
-6.5㌧ | -8.0㌧ |
– |
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総供給 |
1275.9㌧ | 1313.1㌧ |
+2.9% |
|
宝飾品 |
460.0㌧ | 371.3㌧ |
-19.3% |
|
宝飾品在庫 |
86.6㌧ | 47.8㌧ |
-44.8% |
|
テクノロジー |
82.9㌧ | 81.7㌧ |
-1.5% |
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公的金購入 |
199.5㌧ | 219.9㌧ |
+10.2% |
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投資(バー・コイン) |
270.1㌧ | 315.5㌧ |
+16.8% |
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バー |
198.8㌧ | 237.1㌧ |
+19.3% |
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コイン |
71.4㌧ | 78.4㌧ |
+9.9% |
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金ETF |
94.7㌧ | 221.7㌧ |
+134.2% |
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総需要 |
1193.8㌧ | 1257.9㌧ |
+5.4% |
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在庫間移動 |
82.2㌧ | 55.2㌧ |
– |
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総需要合計 |
1275.9㌧ | 1313.1㌧ |
+2.9% |
※WGCの資料を基に豊トラスティ証券作成
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。


