世界白金供給
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白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」は3月6日に「Platinum Quarterly」を発表。
2024年の世界白金総供給は前年比0.6%減少の220.5トンと予測。昨年11月時点の見通し(227.4トン)から下方修正されました。3年連続で減少する見込み。
内訳は、一次供給量(鉱山総供給量)は同2.6%減の170.7トンの見込み。2020年(155.2トン)以来、4年ぶり低水準になるとしております。世界最大の白金生産国である南アフリカの生産量は120.9トンと予測。電力不足で生産が停滞した前年をさらに1.4%下回る見込み。価格の低迷を受けて、鉱山会社がリストラを実施する中、昨年11月時点の見通し(127.5トン)から大幅に下方修正され、2020年(102.6トン)以来、4年ぶり低水準に落ち込むとの見方が主因。
一方、二次供給量(リサイクル量)は同7.0%増の49.8トンと、3年ぶりに増加に転じる見込み(昨年11月時点の見通しは48.7トン)。
なお、2023年の世界白金総供給は同2.4%減少の221.8トンと、2020年(214.7トン)以来3年ぶり低水準に留まっております。内訳は、一次供給(鉱山総供給量)は同1.3%増加の175.3トン。二次供給量(リサイクル量)は同14.1%減少の46.5トンと、少なくともWPICがデータを公表し始めた2013年以降で最低となっております。北米の盗難防止規制の強化と中国の自動車触媒リサイクル制限が要因。
世界白金需要
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2024年の世界白金総需要は前年比6.3%減少の233.5トンと予測。昨年11月時点の見通し(238.3トン)から下方修正されております。
用途別に見てみると、自動車触媒需要は同0.8%増の102.5トンと、2017年(102.6トン)以来7年ぶり高水準となる見込み(昨年11月時点の見通しは103.0トン)。ガソリン車向けで価格水準の高いパラジウムから白金へシフトする動きが続いていることに加えて、中国で排ガス規制が強化されていることに加えて、世界的にハイブリッド車のシェアが拡大傾向にある中、4年連続の増加を見込んでおります。なお、WPICのエドワード・ストレック市場調査責任者は、パラジウムからの代替として白金需要が23トン程度増えると予測しております。
宝飾需要は同2.7%増の59.1トンと予測。高成長が続くインドの需要増加が牽引し、3年ぶりに増加に転じる見込み(昨年11月時点の見通しは59.2トン)。
自動車触媒を除く産業需要は同13.9%減の70.2トンと予測(昨年11月時点の見通しは73.6トン)。少なくともWPICがデータを公表し始めた2013年以降で最高となった前年(81.6トン)から減少するものの、過去4番目の高水準となる見込み。
投資需要は1.6トンと、前年(8.2トン)から急減する見込み(昨年11月時点の見通しは2.6トン)。ただ、2年連続でプラスになるとしております。内訳は、バーやコインは4.7トン(前年は8.4トン)、白金ETF向け需要はマイナス3.7トン(前年はマイナス0.6トン)と、共に前年から急減すると予測。取引所在庫は0.6トンを見込んでおります。
なお、2023年の世界白金総需要は前年比25.0%増加の249.1トンと、2019年(259.7トン)以来4年ぶり高水準でした。用途別に見てみると、自動車触媒需要は同16.2%増の101.8トンと、2017年(102.6トン)以来6年ぶり高水準。自動車触媒を除く産業需要は同12.2%増の81.6トンと、少なくともWPICがデータを公表し始めた2013年以降の最高となっております。
一方、宝飾需要は同2.6%減の57.5トンと、2020年(56.9トン)以来3年ぶり低水準に留まっております。投資需要は8.2トンと、2020年(47.8トン)以来、3年ぶり高水準でした。
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