世界白金供給

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白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」は11月21日に「Platinum Quarterly」を発表。

2024年世界白金総供給は前年比3.3%増加の227.4トンの見込み。一次供給量(生産量)は同2.4%増の178.6トンとし、2021年(193.0トン)以来3年ぶり高水準、二次供給量(リサイクル)は同6.5%増の48.7トンと予測されております。

生産量を国別で見ると、世界最大の白金生産国である南アフリカの生産量は、電力不足による供給停滞が和らぐとの見方から、同5.0%増の127.5トンと、2021年(145.5トン)以来3年ぶり高水準となると予測。ロシアは同7.3%減の19.7トンと、少なくともWPICが統計を公表している2013年以降で最低になる見込み。

なお、2023年の世界白金総供給は前年比2.5%減少の220.2トンと予測。2020年(214.7トン)以来3年ぶり低水準にとどまる見込み。一次供給量(生産量)は同0.8%増の174.4トンと予測。南アフリカの生産量は同0.3%減の121.5トンを見込んでおります(9月時点の見通しは121.9トン)。二次供給量(リサイクル)は同13.3%減の45.8トンと、少なくともWPICがデータを公表し始めた2013年以降の最低となると予測しております。

 

世界白金需要

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2024年世界白金総需要は前年比6.0%減少の238.3トンと予測。用途別に見てみると、自動車触媒需要は同1.5%増の103.0トンと、2016年(104.5トン)以来8年ぶり高水準となる見込み。ガソリン車向けで価格水準の高いパラジウムから白金へシフトする動きが続いていることに加えて、中国をはじめ、世界的に排ガス規制が強化される中、需要増が続くとしております。なお、WPICのエドワード・ストレック市場調査責任者は、パラジウムからの代替として白金需要が22トン程度増えると予測しております。

宝飾需要は同2.8%増の59.2トンと、3年ぶりに増加する見込み。中国とインドで増加が見込まれる一方、北米は減少する見通し。自動車触媒を除く産業需要は同10.7%減の73.6トンと予測。過去最高が見込まれる前年(82.5トン)から減少する見通しであるものの、過去3番目の高水準となる見込み。

投資需要は2.6トンと、前年(12.0トン)から急減する見込み。内訳は、バーやコインは5.3トン(前年は9.5トン)、白金ETF向け需要はマイナス3.7トン(前年は1.6トン)と、共に前年から急減すると予測。取引所在庫は0.9トンを見込んでおります。

なお、2023年の世界白金総需要は同26.1%増加の253.5トンと予測。9月時点の見通し(256.0トン)から下方修正されたものの、引き続き2019年(260.7トン)以来4年ぶり高水準を見込んでおります。

用途別に見ると、自動車触媒需要は同13.8%増の101.5トンと、9月時点の見通し(102.1トン)から下方修正されたものの、2017年(102.6トン)以来6年ぶり高水準となる見込み。パラジウムの代替として白金需要は2022年の12トンに対し、2023年は約19トンに達すると予測しております。

宝飾需要は同2.5%減の57.6トン、自動車触媒を除く産業需要は同13.6%増の82.5トンと予測。投資需要は12.0トンと予測。前年(マイナス19.9トン)から急回復する見込み。

 

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