世界白金供給

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白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」は3月5日に「Platinum Quarterly」を発表。

2025年の世界白金総需要は前年比5.3%減少の244.2トンと、2022年(200.7トン)以来、3年ぶり低水準に留まる見込み(昨年11月時点の見通しは244.6トン)。

用途別に見てみると、自動車触媒需要は同0.9%減の96.5トンと予測(昨年11月時点の見通しは100.9トン)。前年(97.4トン)はやや下回るものの、ガソリン車向けでパラジウムから白金へシフトする動きや、欧州や中国で排ガス規制が強化されることに加えて、世界的にハイブリッド車のシェアが拡大傾向にある中、旺盛な需要が続くと見込んでおります。

宝飾品需要は同1.7%増の63.0トンと、2019年(65.5トン)以来、6年ぶり高水準になると予測。金価格が高騰する中で代替需要が増えていることから、2年連続で増加するとしております(昨年11月時点の見通しは61.7トン)。

一方、自動車触媒を除く産業需要は同14.1%減の65.8トンと、2020年(64.4トン)以来5年ぶり低水準に留まり、2年連続で減少する見込み。

金価格が最高値を更新する中、白金に相対的な割安感が高まっており、投資需要は18.8トンと、同13.7%減少するものの、3年連続でプラスになると見込んでおります(昨年11月時点の見通しは13.1トン)。

内訳は、バーやコインは5.6トン(前年は6.0トン)、白金ETF向け需要は3.1トン(前年は9.2トン)、取引所在庫は4.7トン(前年は1.6トン)と予測。また、中国の500グラム以上のバー需要は5.4トン(前年は5.0トン)の見込み。

なお、2024年の世界白金総需要は前年比4.6%増加の257.8トンと、2016年(262.2トン)以来、8年ぶり高水準となっております。用途別に見てみると、自動車触媒需要は同2.2%減の97.4トン、自動車触媒を除く産業需要は同0.5%減の76.6トン。一方、宝飾品需要は同7.8%増の62.0トンと、2019年(65.5トン)以来、5年ぶり高水準となりました。

また、投資需要は同76.8%増の21.8トンと、2020年(49.2トン)以来、4年ぶり高水準となっております。内訳は、バーやコインは同39.8%減の6.0トン2014年(1.6トン)以来10年ぶり低水準に留まった一方、白金ETF向け需要は9.2トンと、3年ぶりにプラスに転じ、2020年(15.8トン)以来4年ぶり高水準でした。取引所在庫は1.6トンと、同じく2020年(14.2トン)以来4年ぶり高水準。中国の500グラム以上のバー需要は5.0トンとなっております。

 

世界白金需要

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2025年の世界白金総供給は前年比4.0%減少の217.8トンと、2020年(215.6トン)以来5年ぶり低水準に留まる見込み。二次供給量(リサイクル量)が大幅に引き下げられたことを受けて、昨年11月時点の見通し(227.8トン)から下方修正されました。

内訳は、一次供給量(鉱山総供給量)は同5.2%減の171.3トンと、2020年(152.5トン)以来5年ぶり低水準に留まる見込み(昨年11月時点の見通しは172.6トン)。

鉱山在庫(0.0トン)を加えた鉱山総供給量は同5.2%減少の171.3トンと、2020年(152.5トン)以来5年ぶり低水準に留まると予測。昨年11月時点の見通し(172.6トン)から下方修正されております。

国別で見ると、世界最大の白金生産国である南アフリカの生産量は同5.6%減の121.3トンと、2020年(102.6トン)以来、5年ぶり低水準になる見込み(昨年11月時点の見通しは122.2トン)。二次供給量(リサイクル量)は同0.7%増の46.5トンと見込んでおります(昨年11月時点の見通しは55.2トン)。

なお、2024年の世界白金総供給は同2.5%増加の226.8トンでした。内訳は、一次供給量(鉱山総供給量)は同3.4%増の180.6トンと、2021年(192.9トン)以来、3年ぶり高水準。世界最大の白金生産国である南アフリカの生産量は同4.4%増の128.5トンと、2021年(145.5トン)以来、3年ぶり高水準となっております。二次供給量(リサイクル量)は同0.9%減の46.2トンと、少なくともWPICがデータを公表している2013年以降で最小に留まりました。

 

 

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