NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比58.1ドル高の2397.7ドルで終了。2週連続で上昇しております。
FRBによる早期利下げ期待が価格を下支える一方で、50日平均線でレジスタンスを受ける中、2300ドル台前半で揉み合っていたものの、7月3日に急伸となり、50日平均線を突破。翌5日も大幅高となり、一時2401.5ドルまで上昇する場面も見られております。
6月ISM米景況感指数は製造業、非製造業共に節目の50を割り込み、米景気の減速懸念が拡がり始めております。また、6月28日に発表された5月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.6%上昇。伸び率は前月(2.7%上昇)を下回り、インフレ鈍化の兆しが出始める中、先週発表された米労働関連指標は、5月米雇用動態調査(JOLTS)は市場予想を上回ったものの、失業保険申請件数は3週ぶりに悪化。また、6月米雇用統計は失業率が4.1%と、前月から0.1ポイント悪化(市場予想は4.0%)。景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比20.6万人増と、前月(改定値、21.8万人増)から小幅縮小。また、5月分は27.2万人増から21.8万人増、4月分は16.5万人増から10.8万人増に修正され、FRBが重視する3ヶ月平均は17.7万人増と、コロナ禍前の2015~2019年平均(19.3万人増)を下回ったため、FRBによる早期利下げ期待が拡がった様です。
なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(7月5日時点)によると、9月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は72.0%と、先週末(57.9%)から大幅に上昇しております。
週明けの時間外取引は、最近の急騰を受けた買い方の利喰い売りに押されている様です。また、イスラム組織ハマスがイスラエルとの停戦案の枠組みに大筋で同意したと米高官が明らかにしたことや、7月5日実施されたイラン大統領選の決選投票で、改革派のペゼシュキアン元保健相が勝利したことを受けて、イランの対外政策が融和的になるとの見方が拡がる中、中東を巡る「地政学リスク」への警戒感がやや後退していることもあり、軟調なスタートとなっております。このまま終値で2400ドル台を回復出来ない様ですと、改めて上値の重さが意識される展開となり、50日平均線辺りまで下げて来ることも想定されます。
なお、今週は7月9、10日の両日にパウエルFRB議長の議会証言が予定されております。また、7月11日に6月米消費者物価指数(CPI)が発表されます。4、5月に続き、インフレの鈍化傾向が維持されるかが注目されそうです。
最後に、既報通り中国人民銀行(中央銀行)は5月に続いて、6月も金保有の積み増しを見送った様です。ただ、インドやトルコなど常連国の金購入は続いている上に、シンガポールやポーランドなど、積極的に金を積み増す動きも拡がっていることから、今回は相場への影響は限定的だった模様。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は7月5日時点で前週末比5.75トン増加の834.81トンと、増加に転じました。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.84トン減少の377.69トンと、減少に転じております。
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