世界の金需要(四半期別)

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産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が4月30日に公表した「Gold Demand Trends」によると、2024年第1四半期(1-3月期)世界金需要は前年同期比5.3%減少の1101.8トンで、3四半期連続で減少となりました。

公的機関の金購入は289.7トンと、前期(219.6トン)を大幅に上回りました(前年同期は286.2トン)。少なくとも、2010年以降では第1四半期として最高となっております。買い越しは14四半期連続。

金価格が高止まりする中、宝飾品需要は同2.0%減の479.0トンと、3四半期連続でマイナス。2022年第2四半期(461.4トン)以来の低水準に留まっております。米長期金利が高止まりする中、金ETF(上場投資信託)関連の金需要はマイナス113.7トンと、8四半期連続でマイナス。マイナス幅は2023年第3四半期(マイナス139.2トン)以来の大きさとなっております。

一方、バー・コインなど投資用需要は同2.7%増の312.3トンと、3四半期ぶりにプラスに転じております。なお、バーは222.9トンと、2022年第3四半期(225.1トン)以来の高水準。コインは65.3トンでした。テクノロジー需要は同10.4%増78.6トンと、2四半期連続でプラス。人工知能(AI)を搭載したパソコンやスマートフォンの素材として需要が伸びた模様。

 

中国とインドの金需要(四半期別)

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需要を国別で見てみると、アジアの需要が増えた一方、米欧は需要が振るわず。世界最大の金需要国である中国は同12.7%増加の294.6トン。5四半期連続でプラスとなり、2014年第1四半期(298.3トン)以来の高水準となりました。インドは同8.1%増加の136.6トン。

 

世界の金供給(四半期別)

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2024年第1四半期(1-3月期)世界金供給量は前年同期比2.6%増加の1238.3トンで、5四半期連続でプラスとなっております。

内訳を見ると、鉱山生産量は同4.4%増の893.0トンと、3四半期ぶりにプラスに転じております。カナダやガーナなどの鉱山が増産に動いた模様。

金価格が高止まりする中、リサイクル量は同12.5%増の350.8トンと、5四半期連続でプラス。2020年第3四半期(378.0トン)以来の高水準となっております。

 

世界の金需給(四半期別)

2023年Q1

2024年Q1

前年同期比

鉱山生産

855.1トン 893.0トン

 +4.4%

リサイクル

311.9トン 350.8トン

  +12.5%

ヘッジ(ネット・ベース)

39.4トン -5.5トン

総供給

1206.4トン 1238.3トン

  +2.6%

宝飾品

488.9トン 479.0トン

  -2.0%

宝飾品在庫

42.1トン 56.0トン

  +33.0%

テクノロジー

71.2トン 78.6トン

+10.4%

公的金購入

286.2トン 289.7トン

 +1.2%

投資(バー・コイン)

303.9トン 312.3トン

 +2.7%

金ETF

-28.6トン -113.7トン

総需要

1163.7トン 1101.8トン

 -5.3%

在庫間移動

42.7トン 136.4トン

総需要合計

1206.4トン 1238.3トン

+2.6%

※WGCの資料を基に豊トラスティ証券作成

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。