NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比128.0ドル高の2345.4ドルで終了。2週連続で上昇しております。

3月25日から4月3日まで7営業日続伸。イスラエルがシリア首都ダマスカスのイラン大使館周辺を空爆したことを受けて、中東情勢を巡る「地政学リスク」が一段と高まる中で「安全資産」として買い進められ、連日で最高値を更新する中、4月3日に史上初めて2300ドル台に乗せております。最近の急ピッチな上昇を受けて、高値警戒感が拡がる中、翌4日は反落。ただ、2300ドル辺りでは押し目を買い拾う動きが強く、5日に再び急騰。一時2350.0ドルまで買い進められるなど、最高値を更新しております。

注目された3月米雇用統計は、失業率は3.8%と、前月から0.1ポイント低下(市場予想は3.8%)。景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比30.3万人増と、前月(改定値、27.0万人増)から拡大し、市場予想(20.0万人増)を大幅に上回るなど、米労働市場の強さを示す内容となりました。複数のFRB高官がタカ派な発言したこともあり、FRBによる早期利下げ観測はやや後退しております。

ただ、米長期金利は4月3日に4.42%まで上昇し、昨年11月以来4ヶ月ぶり高水準を付けるなど、上昇が続いているものの、「地政学リスク」や米国株の調整地合を受けて「安全資産」として買う動きや、原油価格が昨年10月半ば以来の高値を付けるなど、コモディティー(商品)価格全般が上昇する中、インフレ再燃懸念から「インフレヘッジ」として金を選好する動きが勝っている様です。米株価が調整地合いを強める中、連日で最高値を更新している金市場に投機資金が流入している様です。

ただ、相対力指数(RSI)が80%を上回って推移する中、買い方の利喰い売りが出て来そうな一方で、引き続き押し目は「安全資産」として買い拾われそうなことから、今週は荒っぽい動きが想定されます。

とは言え、中東情勢を巡っては、イランとイスラエルが直接衝突する事態になっていないとは言え、先行きの不透明感があり、金相場を一過性ではなく、息長く押し上げる可能性との見方が出ております。

なお、今週は4月10日発表の3月米消費者物価指数(CPI)やFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(3月19、20日開催分)が注目されそうです。米労働市場の強さに加えて、インフレ鈍化の進展が停滞していることが示されれば、市場で利下げ見通しが後ずれする可能性もありそうです。また、4月11日には欧州中銀(ECB)定例理事会が開催されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月5日時点で前週末比3.75トン減少の826.41トンと、2週連続で減少しております。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比4.02トン減少の383.10トンと、再び減少しております。

 

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