NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比24.1ドル高の2349.1ドルで終了。2週連続で上昇しております。
6月7日に2406.7ドルを付けて、5月22日以来の2400ドル台を回復する場面も見られたものの、中国人民銀行(中央銀行)が2022年11月以来、1年半続けていた金保有の買い増しを5月で一時停止したことが明らかとなり、急落。その後発表された5月米雇用統計も労働市場の底堅さを示す内容となり、下げ幅を拡大する中、2304.2ドルまで下げる場面も見られております。
ただ、引き続き節目の2300ドルは維持。相場の底堅さが確認されたことから買い拾われております。5月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇と、伸び率は2ヶ月連続で鈍化。瞬間風速を示す前月比は2022年7月以来、1年10ヶ月ぶりに横ばいとなったことから、発表直後に2358.8ドルまで急伸する場面も見られております。
その後、FRBはFOMC(米連邦公開市場委員会)で、7会合連続で政策金利を据え置くことを決定。声明と同時に公表されたFOMCメンバー19人の金利見通し(SEP)で、2024年の利下げ回数見通しが3月時点の3回から1回へ減少したことを受けて、FRBが利下げ転換に慎重になっているとの見方が拡がり、6月13日に2310.9ドルまで下げる場面も見られております。
ただ、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(6月14日時点)を見てみると、市場は引き続き11月米大統領選をはさんで、9月と12月に年2回の利下げを想定。米長期金利の低下が続く中、安値は買い拾われております。
5月米消費者物価指数が予想以上に鈍化したことから、FRBが金融引き締めを緩め易くなるとの見方に加えて、FOMCメンバーが想定する2024年の利下げ回数は年1回となり、一見タカ派な内容に見えるものの、細かく見てみると年2回を予想した参加者は19人中8人と最多であったことが意識されている模様。なお、年1回を予想した参加者は7人、据え置きは4人でした。パウエルFRB議長も会見で「非常に僅差だ」とし、どちらの見方も「私にはもっともらしく見える」と述べております。
また、市場の想定より利下げ開始時期は後ずれするものの、2025年の利下げ回数は年4回(3月時点は年3回)、2026年も年4回(3月時点は年3回)に引き上げられ、2026年までの想定利下げ回数は3月時点と変わっていないため、中長期的に利下げが進むとの期待感が価格を下支えている様です。
とは言え、50日平均線がレジスタンスとして意識され始める中、しばらくは上値の重い値動きが続きそうです。一方で、ウクライナ情勢や中東の「地政学リスク」に加えて、欧州議会選挙でEUに懐疑的な右派・極右が伸長し、「政治的リスク」が意識され始める中、安値は引き続き「安全資産」として買い拾われ易いと見られており、しばらくは2300ドル台で揉み合うことが想定されます。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月14日時点で前週末比11.80トン減少の825.31トンとなっております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.65トン減少の379.47トンと、4週連続で減少しております。
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