とうもろこし(Corn)の特徴
取引所:大阪取引所・堂島取引所
とうもろこしは食用に供されたり、アルコールを採ったり、或いは油を絞ったりと様々に使われますが、その多くは飼料として消費されています。従って、世界経済が発展し、発展途上国の食生活が向上、食肉需要が増えるということになれば、当然とうもろこしの需要も増えることになります。
一方、生産に関しては米国が約4割、中国が2割弱のシェアを占めていますが、輸出となると米国が約7割を占め、中国は1割程度となりますから、世界の供給のカギは米国が握っているといって良いでしょう。更に米国内の生産については、中西部を中心とする主要10州で3/4を占めていますから、米国中西部の生産動向が世界のとうもろこし供給を決定しているといっても過言ではありません。
「とうもろこし(Corn)」に関連するマーケット情報
価格変動要因
- 供給サイド
1.米国の天候及び作付面積
世界のとうもろこし供給のカギを握る米国の生産量は、米国中西部の天候次第であるといっても過言ではありません。特に、受粉期に乾燥・高温といった天候(ホット&ドライ)に見舞われると、受粉障害が発生し、大減産に繋がります。当然、市場は産地天候に敏感にならざるを得ず、毎年受粉期を迎える7月下旬から8月にかけて天候を主材料として乱高下する天候相場を演じることになります。
その他、発芽期に降霜(遅霜)に見舞われれば、作付けのやり直しを迫られることになりますし、完熟する前に降霜(早霜)に見舞われれば、減産と品質の劣化を余儀なくされます。結局、他の農産物も同様であるといえますが、作付け期から収穫期まで主産地の天候から目が放せないということになります。
また、作付け時の天候も大きな要因となります。米国の農家はまずコーンを作付けし、次いで大豆を作付けします。コーンの作付け時期に降雨等が続くと、コーンの作付けを放棄して大豆を作付けすることになり、コーンの作付け面積は減少することになります。反対に作付けに適した天候に恵まれると作付面積は増加します。2.アルゼンチン、南アの供給
アルゼンチン、南アという南半球産地のとうもろこしは、4月ごろから世界市場に出回ることになります。その生産量はやはり天候に左右されることになりますが、生育期が米国とはちょうど反対の時期に当たるため、需給調整の役割を果たす傾向があるようです。例えば、米国が減産に見舞われ相場が高騰すると、南半球産地の作付け意欲が強まります。また、これら産地からのヘッジ売りがシカゴ市場を圧迫することもあります。
- 需給サイド
1.中国の動向
中国は世界の輸出量の1割程度を占める輸出国でありますが、経済伸長に伴う食肉需要の増加、或は国内とうもろこしの減産等の影響から、過去には輸入国に転じたことがあります。中国の動向は、時として市場に大きな影響を与えることから注意が必要です。
2.米国内畜産業の動向
米国で生産されたとうもろこしの6割弱が飼料向けに消費されますから、米国内畜産業の動向にも注意を払いたいところです。特に相場が高騰した際には家畜の数を減らしたり、飼料による肥育を止めて牧草で育てる(牛の場合)といった手段が採られます。
米農務省は毎月、牛、豚、鶏に関するレポートを発表していますが、市場がもっとも注目するのは、キャトル・オン・フィード(肥育牛)レポートです。
競合商品(相場)の動向
飼料としての競合商品は大豆粕、ソルガムがありますが、小麦も価格が下がったり品質が低下した場合には飼料向けに回されます。小麦の豊作がとうもろこし相場を圧迫することは珍しくありません。
投機的な動き
リスクヘッジャーとしては生産者・加工業者・流通業者などが中心でコマーシャル筋と呼ばれています。また、投機筋(リスクテーカー)としては、主に日計り商いを行う地場筋と呼ばれるフロア・トレーダーと、ファンド筋がしのぎを削っています。これら3者の建玉は、毎週金曜に発表される CFTC建玉報告に示されます。
主材料の発表予定
需給要因
材料 | 発表予定 | 発表機関 |
---|---|---|
米農務省需給報告 | 毎月10日前後 | 米国農務省 |
作付け意向面積 | 3月末 | 米国農務省 |
作付け面積予想 | 6月下旬 | 米国農務省 |
米国四半期在庫報告 | 1月中旬、3月末、6月末、9月末 | 米国農務省 |
米国とうもろこし生育進展率 | 毎週月曜日 (生育期のみ) |
米国農務省 |
米国とうもろこし作況 | 毎週月曜日 (生育期のみ) |
米国農務省 |
NWS6-10日間予報 | 毎週月・水・金 | NWS社 |
NWS中期予報 | 毎月中・下旬 | NWS社 |
NWS長期予報 | 毎月下旬 | NWS社 |
週間輸出検証高 | 毎週月曜日 | 米農務省 |
週間輸出成約高 | 毎週木曜日 | 米農務省 |
週間搾油実績 | 毎週金曜日 | 米国大豆加工業者協会 |
需給要因(国内)
材料 | 発表予定 | 発表機関 |
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月間輸入通関実績 | 毎月下旬 | 財務省 |
テクニカル要因
材料 | 発表予定 | 発表機関 |
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CFTC建玉報告 | 毎週金曜日NY市場取引終了後 | CFTC |
受渡し枚数 | 受渡し期間入り後毎日 | CBOT |