LNG(プラッツJKM)先物の活用法


 

液化天然ガス・LNGってなに?

「気体」である天然ガスをマイナス162℃まで冷却すると「液体」になります。その液化した天然ガスの英語表記「Liquified Natural Gas」の頭文字をとって「LNG」といいます。天然ガスは、石油や石炭と同じ化石燃料ですが、燃やしたときに出る二酸化炭素(CO2)などの量が、石炭や石油よりも少ないことから「地球にやさしいエネルギー」と言われています。

また「気体」から「液体」に形を変えると、同じ量でも「気体」に比べ体積が1/600まで凝縮されるので一度にたくさんの量をタンカーに積んで運ぶことができ、かつ貯蔵することができるのです。

私たちの暮らしを支える液化天然ガスとは?


 

LNGバリューチェーン

私たちの暮らしを支えるLNG

日本のLNG輸入量は90%以上です。そのうち約65%は火力発電に用いられる「発電燃料」、 約35%は「都市ガス原料」として使われています。特に国内の都市ガスは殆どがLNGで供給を賄っています。


 

なぜ注目されるのか?

世界有数のコモディティ

LNGは、国際貿易において世界上位5品目の中に位置し、原油、金、鉄鉱石に次ぐ市場規模を誇るコモディティです。また、日本が属する北東アジアは世界有数のLNG消費地域であり、総輸入量は世界全体の大部分を占めています。

世界の脱炭素化への移行を支えるエネルギー

再生可能エネルギーによる発電量は天候状況や時間帯に左右されるため、電力需要に対して過不足が生じる場合があります。一方で、 LNGを燃料とするガス火力は機動的かつ安定的な発電が可能であるため、電力需給の調整役を担い再生可能エネルギーの弱点を補完しています。このような背景から、エネルギー・トランジションに注目が集まる今日においてもLNGは脱炭素社会を実現する上で欠くことのできない重要なエネルギー源として位置付けられています。


 

■ ガス火力と再生可能エネルギーの補完関係

■ 天然ガスの環境特性:石炭を100とした場合

液化天然ガス(LNG)の価格変動要因

液化天然ガス先物価格は、現物の需要と供給のバランスなどが最大の価格決定要因となります。価格変動を展望する上で、以下の様々な価格変動要因を把握して変化を上手くとらえることが重要といえます。


 
項目 内容
天気 猛暑や厳冬といった冷暖房の需要や太陽光・風力などの自然エネルギーの発電量の増減が発電燃料及び都市ガス原料であるLNGの需要に影響し、価格が変動します。
地政学リスク 世界の天然ガス産出国や海上交通の要衝における政情不安などの地政学リスクの上昇は、LNG供給制約となり価格を押し上げる要因となります。
生産・輸送インフラの稼働状況 液化施設の稼働停止やパナマ運河での渋滞などは、供給停滞につながり、価格上昇の要因となります。
傭船市場の需給 輸送用のチャーター船が逼迫している場合、輸送コストの上昇を受けLNG価格も上昇します。
排出権価格 排出権価格の高騰は石炭から天然ガスへ発電燃料を切り替えるインセンティブとなり、LNG価格の上昇につながります。
景気動向 原油などと同様にエネルギーであるLNGも一般的に景気動向と価格は連動します。
海外市場の動向 欧州ガス価格指標であるTTFとLNG価格指標であるJKM(用語説明参照)は相関性が高く、欧州におけるガスの在庫状況等はJKMの変動要因となります。

天然ガス・LNG・ドバイ原油の価格変動推移

北東アジア向けのLNGスポット価格指標 『プラッツJKM』

プラッツJKMとは、S&P Global Platts(プラッツ)が北東アジア向けスポットLNGカーゴの価格を入着ベースで評価・発表しているLNG価格指標であるJapan Korea Marker(JKM)を指し、日本・韓国・台湾、中国向けカーゴの価格が評価対象です。

LNGの取引はスポット契約とターム契約に大別されます。ターム契約のほとんどが原油価格に連動して価格決定されますが、スポット契約はその時々のLNG需給を反映し価格決定されます。

JKMはスポット契約の価格指数であり、北東アジア向けスポット取引契約の指標価格としての地位を確立しつつあります。

LNG(プラッツJKM)先物の商品概要

取引種類 現金決済先物取引
現金決済先物取引の対象 日本及び韓国を仕向け地とする仕向港着船条件でスポット取引されるLNG
取引開始日 2022年4月4日(試験上場)
立会時間 <日中>
寄付板合わせ(オープニング) : 8:45
ザラバ取引(レギュラー・セッション) :8:45~15:10
引板合わせ(クロージング) : 15:15

<夜間>
寄付板合わせ(オープニング) : 16:30
ザラバ取引(レギュラー・セッション) : 16:30~翌5:55
引板合わせ(クロージング) : 翌6:00

※寄付板合わせ(オープニング)で取引が成立しない場合、ザラバ取引(レギュラー・セッション)に移行
※引板合わせ(クロージング)で取引が成立しない場合、ザラバ引け
限月取引 直近15限月
取引最終日 当月限の属する月の前月15日(休業日にあたるときは、順次繰り上げる)(日中立会まで)
最終決済日 当月限の取引最終日の翌営業日
取引単位 1,000 mmBtu(1枚)
呼値の単位 1 mmBtu当たり10銭刻み
制限値幅
  1. サーキットブレーカー幅:基準値段(前日帳入値段)を中心に以下の値を適用する。
    通常時 基準値段(前日帳入値段)の±40%
    第一次拡大時 基準値段(前日帳入値段)の±50%
    第二次拡大時 基準値段(前日帳入値段)の±60%
    ※ただし、市況等を勘案し、呼値の制限値幅を臨時で見直すことがある。
  2. 即時約定可能値幅:直近約定値段を中心に上下10.0円
    • 寄付板合わせ(オープニング・オークション)の即時約定可能値幅:
      上下30.0円
    • 引板合わせ(クロージング・オークション)の即時約定可能値幅:
      上下20.0円
サーキット・ブレーカー サーキットブレーカー幅上限(下限)で約定又は買(売)注文が提示された場合、10分間取引を中断する。
ストラテジー取引 あり(限月間スプレッド)
立会外取引 あり(呼値の単位:1銭、最低取引単位:1単位)
帳入値段 クリアリング機構が定める値段(夜間立会の開始時から日中立会終了時までの立会における最終約定値段等)
最終決済価格 当月限の前々月16日から前月15日までのLNG(プラッツJKM)平均価格
建玉数量の制限(委託者) 制限を設けない。ただし、当社が必要と認めた場合には、当社が必要と認めた建玉数量の制限を設けることができる。
証拠金 SPAN®を利用して計算
決済方法
  1. 転売または買戻し
  2. 最終決済(最終決済価格による決済)
ギブアップ 利用可能
建玉移管 利用可能

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