ガソリン・灯油

ガソリン・灯油(Lamp oil&Gasoline)の特徴

取引所:東京商品取引所

ガソリンと灯油は原油から精製された石油製品です。原油は加熱炉で約350℃に熱せられ、「常圧蒸留装置」に送られます。原油は、ここで石油蒸気となったあと、冷却され、沸点の低いものから高いものへと順番に、様々な石油製品のもとに分けられます。この石油製品のもとになるのが「留分」です。「留分」は沸点の低いものから順にガソリン、灯油、軽油などに大別できます。これらは更に加工されて、ガソリン、灯油などの最終製品となります。周知のように、ガソリンは車の燃料、灯油は暖房油やジェット燃料として消費されます。両石油製品ともに日常生活に欠かせないもので、その原材料となる原油の動向から目を離せないのはいうまでもありません。

「ガソリン・灯油(Lamp oil&Gasoline)」に関連するマーケット情報

価格変動要因

供給サイド

1.元売り各社の動向

特約店や給油所などの流通機構や直売を通してガソリンや灯油を製造して販売する元売り会社の動向が注目されます。例年、春から夏にかけて暖房油需要が減退する季節習性があります。これを利用して、元売り各社は製油所の定期修理をします。この間、稼働率は低下、下値が限られる傾向があります。また、原油の調達コストに比べ、製品価格が採算ベースを割り込む水準が長く続くと、石油販売業者などで売買する「業転」物を吸い上げたり、精油所の稼働率を下げて製品価格の上昇を促すような動きがしばしば見られます。


2.製品輸入の動向

元売りの減産などで製品需給がひっ迫することがあります。その時には、輸入で不足分をカバーすることになります。特に、冬場の灯油市場が寒波で需要が急増した場合は輸入に頼らざるを得ません。その際には、シンガポール市場価格が輸入採算の目安になるので、その動向に注意する必要があります。

需給サイド

1.季節習性

石油製品の価格の動きには季節習性があります。ガソリン市場は、ゴールデン・ウィークの大型連休時の行楽シーズン時には需要増加が見込まれるため、ガソリン価格が上昇する傾向にあります。その一方で、気温が上昇するため、灯油価格は下落する傾向があります。灯油は気温が下がる秋から冬にかけてが需要最盛期です。需要は気温に大きく左右され、厳しい寒波が到来すると需要は増加、逆に暖冬だと需要が低迷する傾向があります。なお、秋から冬にかけてガソリンは不需要期となります。


2.国内の景気動向

国内の景気動向はガソリン需要に影響を与えます。景気が停滞して産業活動が衰えると、自動車・トラックなど物流に悪影響を及ぼし、その結果、ガソリン需要が減少します。また、都市圏や幹線道路ではガソリンスタンドが乱立、過剰な価格競争を招いており、このことも価格を下落させる要因になります。

原油価格の動向

ガソリン・灯油価格は国内の需給を反映して変動しますが、そのベースになる原油価格の動向に左右されます。従って、原油価格の国際指標となるニューヨーク原油市場の動きに注目する必要があります。

主材料の発表予定

材料 発表予定 発表機関
石油統計速報 月1回程度 経産省

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