銀(Silver)の特徴

取引所:大阪取引所

金と同様に、古来は貨幣であった銀。金と並ぶ貴金属の代表格です。しかも、現在では、工業用、宝飾品用、銀器用、写真フィルム用など様々な分野で活躍する産業用金属としての役割も担っています。
また、投資対象として、銀は時として巨大な資金を呼び込むことがあります。過去には、ハント兄弟による銀の買い占めによって、1979年から1980年にかけてニューヨーク市場の銀価格が9ドルから50ドルに大暴騰し、その後、一気に10ドル台まで大暴落するという、前代未聞の展開がありました(『ハント事件』)。
なお、銀は、銅、鉛、亜鉛などの副産物(バイプロ)として生産されることが多いため、これら非鉄金属の生産量、非鉄金属価格の影響を受けやすいという特徴もあります。

「銀(Silver)」に関連するマーケット情報

価格変動要因

供給サイド

1.非鉄金属市場の動向

銅や鉛、亜鉛、ニッケルなどの副産物(バイプロ)として産出されることが多いだけに、それら非鉄金属の生産動向、非鉄金属価格の動向に左右されることも少なくありません。


2.二次回収の動向

銀は金と同様に、一度製品になってから、それが回収・再生されて市場へ供給されます。その二次回収による供給量にも注意を払うべきでしょう。


3.産銀国の動向

主な産銀国はペルー、メキシコなどですが、これらの国では、鉱山労働者の賃金値上げ要求のストが頻発したり、電力供給が不安定であったりと、情勢が不安定な部分もあります。それら産銀国の情勢も注視すべきポイントです。

需給サイド

1.産業用需要

かつては写真フィルム用の需要が銀需要の最大分野でしたが、デジタルカメラの普及とともにシェアは低下、その一方で電子工業などの需要が拡大しています。電子工業など産業分野での需要は、世界景気の動向に左右されるので、注意が必要です。


2.宝飾品需要

宝飾品、さらには銀器にも利用される銀ですが、その需要はやはり景気に左右される側面が大きいといえるでしょう。また、銀価格が高騰すると、贅沢品ゆえに、需要が減少する傾向も認められます。


3.投資需要

かつては、銀貨、加えて、銀器という形が投資対象の中心でしたが、近年では“銀ETF”が登場し、さらに銀投資の裾野は広がりました。国別では、実物資産としてインド、中東地域、米国などで銀が投資対象として人気が高いとされます。

投機市場の動向

銀は時として巨大な資金を呼び込むことがあります。過去には、ハント兄弟による銀の買い占めによって、1979年から1980年にかけてニューヨーク市場の銀価格が9ドルから50ドルに大暴騰し、その後、一気に10ドル台まで大暴落するという、前代未聞の展開がありました(ハント事件)。また、著名投資家ウォーレン・バフェット氏の銀買いも有名です。このように、銀市場には投機資金が流入しやすいことに注意する必要があります。

主材料の発表予定

材料 発表予定 発表機関
World Silver Survey 年1回(4月、ないしは5月) GFMS
CFTC建玉報告 毎週金曜日NY市場取引終了後 CFTC
輸入通関実績 毎月下旬 財務省

その他の商品一覧