金(Gold)の特徴

取引所:大阪取引所

金は太古の昔から富と権力の象徴とされてきました。近代には金本位制により通貨そのものとなりましたが、ニクソン大統領によるドルとの兌換停止(ニクソン・ショック)以降、一般商品として世界市場で自由に取引されています。最大の需要が宝飾品向けであることからも、最近は一般商品としての性格を強めていますが、今なお通貨としての伝統的な性格を有しており、世界的な経済環境に敏感な反応を示すことに大きな特徴があるといえます。 また、世界的な規模で同時に取引されているため、ドル建て価格では市場間の格差が付きにくいという特徴を有しており、ドル建て価格を円換算したものがそのまま相場に反映される傾向があります。

「金(Gold)」に関連するマーケット情報

価格変動要因

供給サイド

1.公的機関(中央銀行、IMFなど)の動向

WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)によると2011年1月時点での公的機関の金保有量はざっと3万トン。有史以来の金の採掘量がざっと16万トンですから、その20%を公的機関が保有している計算です。このため、各国の中央銀行やIMF(国際通貨基金)などの公的機関が、保有している金を、いつ、どれくらい売却するのか、もしくは購入するのか、その動向は金価格に大きな影響を与えます。


2.生産者の動向

かつて“産金国”といえば南アフリカ共和国であり、ピーク時には年間1,000トンもの産金量を誇りました。しかし、産金コストの上昇や、既存鉱山の品質低下、産金会社の再編などによって産金量が減少。その一方で、新規鉱山開発や低コストを背景に中国の産金量が増加、2007年、ついに中国が世界第1位の産金国に躍り出ました。従って、中国の産金動向を注視する必要があります。

需給サイド

1.宝飾品需要

宝飾品需要は景気の動向に大きな影響を受けます。また、金価格が高騰すると、消費者の買い控えや換金売りが増加する傾向もありますので、景気動向と金価格の変動には注意が必要です。さらに、世界最大の金消費国インドの通貨“ルピー”が対ドルで下落した場合、インド国内のルピー建て金価格が高騰、同国の金消費に影響することもあります。通貨動向も注視する必要があります。


2.投資需要

かつては金需要の中心は宝飾品でしたが、ここ数年で投資需要が急増しており、投資需要の動向も見逃せない材料となっています。投資需要急増の背景には、世界的な信用不安、インフレリスク、地政学的リスクなど様々なリスクを背景に、安全資産、代替通貨として金が買われています。また、金の新しい投資商品として“金ETF”が誕生したことも、金投資の裾野を広げる一因となっています。

為替の動向

為替については2点、注意すべきポイントがあります。まず、ドル建て金価格は、ユーロ・ドルの動向に左右されます。ユーロに対してドル高ならば弱材料、ドル安ならば強材料になります。次に円建て金価格は、ドル・円の動向に左右されます。ドルに対して円高ならば弱材料、円安ならば強材料になります。

主材料の発表予定

材料 発表予定 発表機関
Gold Survey 年1回(4月) GFMS
Gold Survey Update 年2回(9月、翌年1月) GFMS
世界金需給四半期別 年4回(2月、5月、8月、11月) WGC
公的機関の金保有量 年数回 WGC
CFTC建玉報告 毎週金曜日NY市場取引終了後 CFTC
輸入通関実績 毎月下旬 財務省

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