パラジウム

パラジウム(Palladium)の特徴

取引所:大阪取引所

白金族の一種であるパラジウムは、伝統的に自動車触媒や電子工業などの産業向け需要が多いという特徴があります。ただし、白金と同様にパラジウムETFが登場したことで、投資需要も年々、増加しています。また、需要シェアは高くありませんが、宝飾品としても利用されています。
供給面では、世界全体の供給量の約5割(約110トン)をロシア、約3割(80トン弱)を南アフリカに依存しているという特徴があります。両国のパラジウム供給に何らかの支障が生じた場合、パラジウム価格が波乱しやすい傾向が強いということで、両国の生産動向、供給動向を注視する必要があります。

「パラジウム(Palladium)」に関連するマーケット情報

価格変動要因

供給サイド

1.ロシアの動向

白金同様、パラジウムの生産地も偏在しており、現在、その供給の5割はロシアに依存しています。同国ではニッケルの副産物(バイプロ)としてパラジウムを生産しているほか、これまで備蓄された在庫をスポット売却してパラジウムを供給しています。ただ、その在庫は現在、低水準にあると見られており、そうした見方が2010年からのパラジウム価格上昇の主因になった側面があります。それほどにロシアの供給動向はパラジウム価格に強く影響しています。


2.南アフリカの動向

南アフリカでパラジウムは白金の副産物(バイプロ)として生産されています。その生産については、白金鉱山の老朽化、不安定な電力事情、労使紛争等が不安要素として存在しており、注意が必要です。

需給サイド

1.自動車触媒需要

自動車触媒は、自動車の生産台数、販売台数が影響します。日米欧や新興国の自動車市場の動向に注意を払う必要があります。また、白金価格が高騰した場合、白金よりも割安なパラジウムが代替利用されることもありますので、白金価格の動向にも注視する必要があります。


2.電子工業向け需要

電子工業向け需要は、世界の景気動向を敏感に反映しますので、景気動向を注視する必要があります。また、供給に不安な面があることから、市場ではパラジウムの代替品の開発も活発化しています。そうした動向にも目を配る必要があります。


3.投資需要

金、銀、白金と同様に、実物資産としてパラジウムも関心を集めており、その需要量は年々、増加、宝飾品向け需要に肩を並べるほどになっています。パラジウムETFの登場も、パラジウム投資の裾野を広げています。

投機市場の動向

白金同様、市場規模が小さい分、投機資金の流入で価格が波乱しやすいという傾向があります。従って、CFTCが発表する建玉明細等で、投機筋の動向に気を配る必要があるといえるでしょう。

主材料の発表予定

材料 発表予定 発表機関
白系金属市場調査報告書 年2回(11月、翌年5月) JM
Platinum&Palladium Survey 年1回(5月) GFMS
CFTC建玉報告 毎週金曜日NY市場取引終了後 CFTC
輸入通関実績 毎月下旬 財務省

その他の商品一覧